犬の鍼灸治療 足の長さが変わった ケース14

鍼灸が好きすぎて、リラックスサロンだと思われた事もあったよ
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ケース14 足の長さが変わった
当時8歳、チョコラブのワインちゃん。
跛行が酷く、鍼灸治療を希望されました。
簡単な検査をしても、後肢の左右さが3センチ以上あり、それにより跛行がみられました。
左右差がでた原因(先天性股関節形成不全、外傷など)は、かかりつけの動物病院にて、検査。
詳しくはわからないとのこと。
鍼灸治療が大好きらしく、歩き方がだいぶ良くなったあとも、
元氣になるからと、ずっと通っていました。
主な鍼灸治療の内容
レーザー鍼(身体全体)、鍼、パルス、たまにお灸
治療期間3年程度、当初は週2回くらい、経過がよかったので、徐々に間隔をあけ、最終的には月1回
回想
ペットオーナー夫妻も、鍼灸治療が好きだとのことでした。
お子様がいらっしゃらないとの事で、娘のようにかわいがられていました。
車で来院されるときは、助手席にワインちゃんが座っていて、遠目でみるとほんとに家族3人いるようでした。
レトリバーの中でも、ラブラドールは鍼灸が大好きなようで、全く怖がらずに、大人しく治療を受けます。
そのなかでも、ワインちゃんはダントツでした。
鍼を打つ間は、しっかりと見張っていて、パルスが始まると、横になってイビキをかいて寝ていました。
通常は、両側一度に通電しますが、どんなに工夫しても、片側ずつしか施術をさせてくれなく、わざとではないかとみんなで笑ったものです。

鍼を刺している時のチェックの眼差しはきびしかったよねー
ワインちゃんがあまりにもリラックスするので、オーナーさんもいつもリラックス。
たまにお父さんは、一緒に寝てました。
わんちゃん自慢でいつも盛り上がって、とても楽しい時間でした。
動物病院で盛り上がる時って、めったにないですよね。
鍼灸の時間は、周りの人も安らげるのです。
治療を終えて
最終的に、足の長さの左右差はほぼなくなりました。
歩き方も軽くなり、長い時間歩けるようになりました。
ただ、期間中、ご家庭の事情で数ヶ月来院できない時期があり、
その時は、症状が戻ってしまう事がありました。
鍼灸治療は、硬さをほぐしたり、氣血の流れを良くする事が目的ですので、
回数が減ったとしても、続ける事が必要なケースです。
こういう時、おうちでできるといいですね。
このケース、おうちでできる鍼灸は??
・ローラー鍼
→身体全体や硬さが見られる部分にローラー鍼をして、リラックスや硬さをほぐします。
それだけで、足の長さに変化がでることもあります。・お灸
→季節によりお灸を追加します。偏りによる筋肉への血流、氣血の流れを整えます。・てい鍼
→股関節のツボをてい鍼で刺激し、股関節の動きを改善します
(一社)ペット鍼灸セラピー協会代表理事
鍼灸師
1989年より、動物病院にて獣医療に従事。2006年鍼灸師の国家資格取得後、ペットの鍼灸治療の研究を開始。臨床の中で、ペットにとって、ペットオーナーさんが、治療家の一番手でなくてはならないことを痛感。2015年7月一般社団法人ペット鍼灸セラピー協会を設立。獣医師、ペットオーナー指導、ペット鍼灸セラピスト、講師を育成を開始。
ペットへの東洋医学でのセラピーを通して、オーナーさんの心も共にハッピーにすることを目的に活動しています。人、動物などの境なく、感謝、愛、思いやりの心を芽生えさせるきっかけを作り、平和な世界を築く1人でありたいと思います。